2008年4月2日水曜日

東京 新栄湯

新栄湯


東京都豊島区池袋2-21-1
営業時間 16:00~23:00


池袋というと、誰でも知るところの商業地区であり、
西部・東部百貨店と巨大なビルが並ぶのが駅周辺ですが、
そんな駅西口か歩いて5分のところに存在するのが、こちら新栄湯です。

新栄、というと名古屋の繁華街であるところの
新栄を連想するところの僕ですが、
こちら銭湯周辺は、なんというのでしょうか細い路地と、
「○○荘」と銘打つストロングな昭和香が匂いたつロケーションでありました。





















そして、これが銭湯正面。
いい顔しております。

中は・・・、さすがに老朽化を隠し切れませんが、
まぁ、それこそ歴史、「スカイ劇場」という名前とともに
なんとなくピンクな雰囲気を醸し出した看板が脱衣所を飾っていたりしまして、
ああ、なんとも池袋西口と思うのでした。

そして、当然のように「スカイ劇場」は現存していないのでしょう。

「セルフのお店」というハイエイジ指向のおもちゃを販売する
お店の広告看板があったり、

または、
「富士の山ほど 札束積んで あなた来るのを 待つわたし」
という至高の川柳(?)コピーが素晴らしい金融業のカンバンがあったり、
「池袋西口」というアイディンティを忘れない銭湯なのです。

お湯。は、まぁまぁの熱さ。心地よい。


早川絵師によるペンキ画もあり、
このときの背景画は、和歌山の瀞峡かな。
ありましたこと付け加えておきます。

2008年3月25日火曜日

東京 「千代の湯」

千代の湯


世田谷区三軒茶屋2-12-7
15:00-25:00
不定休


三軒茶屋は、時代を感じる商店が並ぶ商業エリアであると同時に、
芸能人が訪れる隠れ家的スポットもありそう、という2面性を持つ町です。

歴史浅からぬ三軒茶屋だけに、
やはり老舗銭湯も現存しているものの、
それこそまるで、「隠れ家的スポット」のようでしたので、紹介します。

























やはり何かガロっぽい路地を、トトトッっと奥に進みますと、





















こんなようなトタンの囲いが現れます。

























ふと見上げると「千代の湯 入口」の文字が。


これなんてだいぶ実戦経験を積んでいないと潜れない佇まいですよ。
隠れ家的ですね。
「家」よりもだいぶ「隠れ」の方に重きを置きすぎていて、
最初は巣通りしてしまいました。


して、このカンバンの下を通ると、天井にフタをした、
こんなような通路になっておりまして、さらに進むと、

























やっと正面が見えてくるわけです。


















次の図を見てください。
 「ココ」と書いたのが入口看板のあたりです。
 赤矢印が、お客さんの導線で、点線がトタンです。





















おそらく、銭湯の目の前に何らかの建物が出来たとか、
正面につながる道路が潰されてしまったとか、
時代の流れに抗うことなく順応した結果、
こうしてトタンでお客さんを誘導する銭湯になったのでは、と推測します。


とは言え、こうして、狭く薄暗く天井の低い通路を抜けて
銭湯の暖簾を潜ることにより、銭湯の高い天井がさらに高く感じられまして、
さながら、アウグストゥスの洞窟神殿のようです。

見たこと無いので適当に書きましたが、なんていうと伝わりますかね、
お洒落なダイニングレストランの演出みたいです。
恵比寿のカーディナスみたいです。


それもそれで、また例えを間違えたような気がしますが、
結局、この狭い通路によって、なにやら高揚感をかきたてられる、
と、そういうことです。


ただ、いくらポジティブに捕らえたところで、
こういった状況っていうのは、銭湯が町から、生活の場から
追いやられているように感じられて、寂しく感じるのですが・・・。


そんな千代の湯は、番台に、格子天井、ペンキ画は富士と渓谷、
脱衣所は静かで、正しい銭湯といった風情の、宜しい隠れ家でした。

2008年3月21日金曜日

名古屋 「ハイカラ湯」





名古屋 「ハイカラ湯」

所在地:名駅の西っ側
定休日:毎週金曜日
営業時間:案内板の文字が色あせている為不明


ナルシストの9割教がブサイクであるように、
「ハイカラ湯」って言い切っちゃっている辺りが、
なんとも逆ハイカラな味があって、思い切りのよさに感激するわけです。

ハイカラ湯は名古屋駅の西側に建っているのですが、
場所柄、煙突より高い建物に囲まれておりまして非常に見つけにくい。

探す楽しみを提供してくれる銭湯なのです。















































高層マンションに囲まれている銭湯っていうのも、
考えさせられるものがありますよね。

見つけにくい場所に建っているだけあって、
中がどんな造りになっているのか、気になりまくりマクリスティ。


中学2年生のリビドー並みに歯止めが利かない状態の膨らむ妄想で、
勇みドアをフルオープンしましたら、
なんだかありきたりな風景が広がっておりました。














































木製のロッカーや、動くのかどうか疑わしいマッサージ機という、
僕が勝手に提唱するところの銭湯標準装備の品々ななかったものの、
ここハイカラ湯でも100円ライターはユナイトトゥー紐でした。

とは言え、
壁に貼られた鉄骨飲料のポスターを見たときは、
紙素材の持つ耐久性の限界点にトライするかの様な姿勢に、
柔らかな感動を覚えました。

















いよいよ浴室。

けどこれまたフツーの造りでした。

しかし今まで入った銭湯の中で、トップを独走するくらいの低温湯でしたので、
「熱いお湯は苦手なのっ、テヘッ」っていう様な美人OLにもってこいです。
デートスポットとして活用することを強く勧めます。







































入浴中、ペンギンがずっとこちらを凝視。何故にペンギン?


















こんなカランがありました。
対面と気まずい雰囲気を味わいたい輩はレッツチャレンジ。


2008年3月20日木曜日

名古屋 「栄湯」


「栄湯」
所在地:名古屋市中川区下之一色町
定休日:毎月1、6、11、16、21、26日
営業時間:16:00~22:30


伊勢湾につながる「新川」。

その新川に面した町が中川区下之一色です。
猟師町として発展した町であり、今でもその面影を残します。


















モダンでスクエアな外観の「栄湯」は、そんな町にあります。

ザ・大正ロマンという外観を確認しただけで、
内部も相当年季が入っているに違いないと感じる事ができます。


















気を引き締め、パンツを履き替え、入口の扉をフルオープン。

扉を開くと、即、番台にはオババ。

毎月5日は子供料金が無料という事なので、
試しに「バブ~」と言って2才児を装ってみるものの、
オババisノーリアクション。

































と、やりたいことをやったところで、脱衣所を確認。
見渡してみて一番衝撃的だったのは、タイルで作られたモザイク画。

男湯からもチラリと女湯の脱衣所上部にかざられた
モザイク画を見ることができましたので、
頼み込んで女湯の脱衣所にも入らせてもらい、写真を撮って来ました。





















それから、なぜか百円ライターが紐で壁につないであったりして、
我々も百円ライターのありがたみについて再確認する必要がありそうです。


2008年3月16日日曜日

名古屋 「道徳温泉」

「道徳温泉」

所在地:名古屋市南区道徳
営業時間:15:30~


名鉄「道徳」駅に降り、東西に伸びる商店街「道徳銀座」を西に向いました。

「銀座と名の付く商店街には大方、銀の輝きが無い」
という言葉があるように、道徳銀座もタナトスを隠し切れないロケーションした。

しかし、こういったロケーションにあってこその老舗銭湯なのです。
というか、これこそ高い銭湯現存率が見込めるものなのです。
そう、勝手な言い分です。



















商店街を抜けると、期待を裏切らない外観の銭湯が出迎えてくれました。
いや、僕が出向いたのですが、これだけ堂々とした姿を見せ付けられると、
銭湯の方から「よう来たな!」と言われているような気分になるものです。

建築物を擬人化して捉えてしまう辺りが、もうアレな人ですが、
そこは構わず一礼して暖簾を潜ります。





















暖簾に書かれた「橋本七度煎」というのは、薬湯に入れる薬の一種だそうです。
(とは言うものの道徳温泉では、今はもう使っていないとの事でした。)


































脱衣所はこんな塩梅です。






















ドリンクの種類が豊富なのも嬉しいですね。
と、旅番組みたいなコメント。























これは旧式の傘立て、というか「傘置き」ですね。
この傘置きを左右に開いて、寝かせるように傘を置いたワケです。























明曲クリーム。
僕には何のことか分りませんが、グリーンが人気の様です。






































浴室は手前に正方形の浴槽、奥に泡風呂と薬湯を配置。
そしてタイル画は熱帯魚です。女湯のタイル画もコレと全く同じだそうです。


















おまけ

道徳の銭湯は犬達に見守られていました。

















寝る犬。番犬も熟睡するほど、時が緩やかに流れる町なのか。


















覗く犬。
一斗缶と犬のミスマッチ。やたら高い位置で繋がれた鎖が気になります。


名古屋 「廓湯」

「廓湯」

所在地:名古屋市中村区名楽町2-10
営業時間:16:00~23:00(たぶん)



















銭湯周辺の街並み。
なかなか強力なうらぶれ感が漂ってます。

その昔、東洋随一の遊郭街であった大門地区。
つくりは古いけれど、敷地面積の広い建物もチラホラ見つけることができます。

つげ義春漫画の見開きの1コマみたい。
























正面は出ました入母屋造!コレだけでヤラレますね。東京の銭湯群と異なり名古屋の銭湯は、正面に破風をもった銭湯がほとんどありません。名古屋地区においては貴重な銭湯なんですね。


















「これをオカズにどんぶり飯3杯食えるぜ」並みのヤラレ具合です。
けど、自販機が残念なポジションに配置されていますねぇ。


















脱衣室。
中央にテーブルと椅子。女湯と男湯を隔てる壁には大鏡。格子天井。スタンダードな配置です。
でも、このスタンダードな領域まで到達していない銭湯が多いんですよね。
スタンダードさのありがた味を再認識出来ます。


















額縁広告なんてのもあります。
このヘルシー志向時代に「一家の健康は肉食から」というコピーはなんともエポックメイキングです。


















出すのはお湯のみ!
そんな有無を言わさないカランが並びます


















お湯と水、両刀カランの一角。アリーナ席と言えます。
さらにその脇には、飲料水の噴水蛇口があります。
浴室内にはコレ1個だけでした。レア度高いね。
おそらく「GET ON」誌上では5つ星でしょう

































壁一面には裸婦のモザイク画が。圧巻です。


浴室から上がり、立原啓裕似の番台のおやじさんに話を聞くと、
創業は大正時代、モザイク画を設置したのは昭和30年代だと教えてくれました。
廓湯はもともと遊郭であったとの事で、廓湯という名前もそこに由来しているとの事でした。「でも表に出てる看板には草津温泉って書いてありますよね」と僕が看板について触れると、「そりゃアレだよ。昔は薬湯があったんだからよ。だから草津温泉なんだよ。今は電機湯だけどよ。」と、脇で着替えていた大地康夫を20年くらい熟成させたような風体のおじさんが語ってくれました。


















これが看板。中央に草津温泉、左に廓湯の文字が見えます。


おまけ。
裏手にまわったらコインランドリーがあったぜ!

イメージキャラクターのランドリー君(憶測)のプレートもキュートだね!